複合参照($A1 / A$1)で行固定・列固定を自在に扱えるとExcel作業を効率化できます。この記事では F4の順番 と クロス集計での実務例(SUMIFS) を、九九の表で手を動かして覚えます。
この記事の要点
- 複合参照とは、セル参照をコピーしたときに、行と列の一方だけが変化し、もう一方は固定されるように設定する参照方法
- 複合参照を使えばクロス集計の表をすぐに作れるため、作業効率が大きく上がる
- セル参照にカーソルを合わせてF4キーを押す毎に絶対参照→行の複合参照→列の複合参照と設定できる。そのため「列の固定はF4を3回、行の固定はF4を2回」
- 掛け算の九九の表は複合参照の練習に最適
※ノートPCの機種によっては、F4が効かない場合は Fn+F4
複合参照の使い方と設定の仕方
複合参照とは、セル参照をコピーしたときに、行と列の一方だけが変化し、もう一方は固定されるように設定する参照方法です。
例えば以下のようなExcelがあった場合に、販売データを会社・支店でクロス集計するときなどに非常に便利で、複合参照を正しく設定すればC4セルに入力した数式をE6までコピーするだけで、会社別・支店別の数値を集計可能です。

複合参照は慣れないと数式を組むのに苦労する点が弱点かと思います。筆者も覚えるまでは少し苦労しました。
基本的な説明としては以下になります。特に3つ目の操作は覚えておくと便利です。
- 固定したい行または列番号の前に$をつける
- セル参照にカーソルを合わせてF4キーを押す毎に、 絶対参照 → 行固定(列相対)→ 列固定(行相対)→ 相対参照に戻る
- 上記の例では$B4とC$3が複合参照。B列にある会社名と、3行目にある支店名から動かさずに参照したいため、B列と3行目の前に$をつける
- 「列の固定はF4を3回、行の固定はF4を2回押す」は暗記しておくと便利
九九の掛け算表がExcelの複合参照学習に最適な理由
習うより慣れろといいますが、上記のような複合参照に適した状況が都合良く出てきてくれるわけではないのが悩ましいところです。ようやく遭遇したかと思えばやり方を忘れていることも...
そこで便利な練習方法があります。練習に適しているのは「結果が正しいか見ればすぐわかる」ような題材です。
というのも、上記の支店別の集計はぱっと見であっているのか判断しづらく、不慣れな状態での練習には適していると言い難いです。
一方で、九九の表であれば「3×4=12」など、結果が正しいかどうかを暗算ですぐに確かめられるため、複合参照の練習題材として非常に相性が良いです。

上表も複合参照を使用していて、C3セルを右下までコピーすれば正しい結果が表示されます。計算結果があっているかも暗算ですぐ確かめられます。
- 列の固定はF4を3回、行の固定はF4を2回押す
- 掛け算の九九の表を作ると複合参照をすぐに再現できる
FAQ
複合参照のやり方をわかりやすく教えてほしい
手順は次の4ステップです。Excelを開きながら、そのままなぞってもらえればOKです。
- 見出しを作る
- 左側の列(A2〜A10)に「1〜9」を縦に入力します。
- 上の行(B1〜J1)にも「1〜9」を横に入力します。
→ 「左がかけられる数」「上がかける数」という土台ができます。
- 先頭セルに式を入れる
- B2セルを選び、
=A2*B1と入力します。
→ ここは「1×1」を計算するセルです。
- B2セルを選び、
- F4で複合参照にする
- 数式中の
A2を選択してF4を3回押し、$A2にします(列Aを固定)。 B1を選択してF4を2回押し、B$1にします(行1を固定)。- 最終的な式は
=$A2*B$1になります。
→ 「列の固定はF4を3回、行の固定はF4を2回」の復習にもなります。
- 数式中の
- オートフィルでコピーする
- B2セルの右下をドラッグして、J2まで横にコピーします。
- 続けて、B2〜J2を選択し、9行目まで下方向にドラッグします。
→ B2〜J10に九九の表が完成します。いくつか暗算で答えをチェックしてみてください。
この4ステップを一度やっておくと、複合参照の「行だけ固定」「列だけ固定」のイメージがかなりクリアになります。
複合参照を忘れたときも、「まずは九九の表で思い出す」という復習パターンとして使えるのでおすすめです。

