Jevとは何か
Jevとは、TypeSafeが提供するAIツールです。文章生成は行わず型の決まった判断を返すモデルです。
複数の選択肢を、一定の判断基準に沿って評価できます。文章を出力せず、判断結果や点数のみを出力するため、「AIに答えを聞く」というより、「判断材料を整理する」用途に向いています。
選択肢と評価軸を与えると、比較しやすい形で結果を返してくれます。
ChatGPTとの違い
ChatGPTのような一般的な生成AIは、質問に対して文章で回答します。一方でJevは、選択肢の比較や評価を一定の形式で行うことに特化しており、最大の特徴は回答として文章を出力しない点にあります。
ChatGPTでは回答の形式や評価軸が毎回変わることがありますが、Jevでは、同じ判断基準で複数の候補を比較することに重きを置いています。
Jevの特徴は、文章を出力せず、判定や判断の支援に特化していることです。メリットとして、一般的な生成AIと比較した処理の速さと低コストが挙げられます。使用する業務フローによりますが、開発元であるTypeSafeの公表値では、Jevの応答時間は約70〜500ミリ秒で、用途によっては一般的なLLMと比べて最大約194倍高速、約445倍低コストとされています。
使用方法
TypeSafeAIのサイトよりアクセス可能です。ただし、記事執筆時点ではウェイトリストへの登録が必要です。筆者のケースでは9/18に登録して半日程度で使用可能になりました。
ログイン後は、Playgroundより利用可能です。
その後表示される画面で、左下にあるNoul、Score、Choice3つの質問タイプから選択します。それぞれの機能は後述します。

操作は、画面左半分にある以下の2つに入力を行います。
State:評価対象についてAIが判断するために必要な事実・前提条件を入力
Questions:上記Stateをもとに「何を判定してほしいのか」を入力
具体的な入力や出力は以下にて説明します。
主な機能は3つ(Noul / Choice / Score)
Noul
Noulは、質問に対して「Yes / No」で判定する機能です。単に二択で答えるだけでなく、その判断の確率も返します。条件に当てはまるかどうかを判定したい場面に向いています。
下記の添付は、問い合わせ内容について、「緊急対応すべきか?」を判定するための内容です。画面上部Stateに入力した問い合わせ内容より、『緊急対応すべき』がYesである確率を94%と出力しています。

Choice
Choiceは、あらかじめ用意した複数の選択肢から、最も適切なものを選ぶ機能です。各選択肢の確率や判断の確信度も確認できます。分類や振り分けなどに利用できます。
Stateにフィードバックの内容を記載し、Questionsでは営業、経理、サポート、総務それぞれが対応すべき内容を定義しておき、それをもとに対応すべき部署がどこかを判定させています。判定結果としては「経理が対応すべき」と出力されています。

Score
Scoreは、対象を一定の軸で評価する機能です。たとえば「0〜100点」「低・中・高」といった基準を設定し、その中でどの程度に当たるかを判定できます。優先順位付けやリスク評価などに利用できます。
以下の例もStateにて問い合わせの内容を記載し、Questionsでその緊急度合いの尺度について定義しています。判定結果は最大3とした場合の2.43とかなり緊急と判定されています。一方、Confidenceは43%で、判断には一定のばらつきがあります。

似たようなことはChatGPTなどの既存の生成AIツールでもプロンプト次第で実現可能ですが、上記3パターンは一瞬で応答するレベルに高速な点が特徴的でした。実際には上記サイトで毎回プロンプトを入力して使うよりも、API連携によりツールに組み込む使い方がより現実に即した使い方になるかと思います。
例えば仕訳帳に対して、科目と金額の組み合わせにより異常値を判定させたり、科目と摘要から消費税区分の判定が異常でないかを判定させるなどが考えられます
GASによる自作ツール
色々と面白そうな使い方はできそうですが、QuestionsをJSON形式で定義する必要があり、初見ではやや直感的でないと感じました。そこで、Jevを簡単に試せるWebアプリを、Google Apps Script(GAS)で作成してみました。スマートフォン・PCのブラウザから利用でき、判断対象や判断基準を自分で自由に設定できます。
次回の記事では、そのツールについて実際の画面と使い方をご紹介します。

