ChatGPTを使うとき、通常はブラウザを開き、ChatGPTのサイトを開いて入力欄を選択し、プロンプトを入力して送信します。一つひとつは小さな操作ですが、ChatGPTを一日に何度も使うようになると、この使い始めるまでの操作が意外と気になります。
そこで今回は、上記よりも少ない手順でChatGPTにプロンプトを渡す方法を3段階に分けて紹介します。第1段階は「URLからプロンプトを渡す」、第2段階は「そのURLをWin + Rから実行する」、第3段階は「バッチファイルを使って、プロンプトを渡した後の送信まで自動化する」です。さらに、途中でWindowsの辞書登録を使うと、URLやバッチファイルのパスを毎回入力する必要もなくなります。
第1段階:URLからChatGPTにプロンプトを渡す
まず一番基本となるのが、URLからChatGPTにプロンプトを渡す方法です。ChatGPTでは、次のようなURLを利用できます。
https://chatgpt.com/?q=
この後ろにプロンプトを続けます。例えば、
https://chatgpt.com/?q=ExcelのXLOOKUP関数について教えて
という形です。このURLをブラウザで開くと、ChatGPTに「ExcelのXLOOKUP関数について教えて」というプロンプトを渡すことができます(上記をブラウザのURL欄にコピペしてEnterキーで試せます)。
通常であれば、「ブラウザを立ち上げる → ChatGPTを開く → 入力欄をクリックする → プロンプトを入力する」という操作が必要です。URLにプロンプトを含めれば、「プロンプトを含むURLを開く」という形にまとめることができます。ポイントは、「ChatGPTを開いてから質問を書く」のではなく、「質問を持った状態でChatGPTを開ける」ことです。
ただし、毎回 https://chatgpt.com/?q= と入力するのは現実的ではありません。そこで便利なのが、Windowsの日本語入力の辞書登録です。例えば、
読み:gpt
単語:https://chatgpt.com/?q=
のように登録しておきます。すると、「gpt」と入力して変換するだけで、
https://chatgpt.com/?q=
を呼び出せます。その後ろにそのまま質問を書けばよいため、実際の操作はかなり短くなります。例えば、
gpt
↓変換
https://chatgpt.com/?q=
↓
という使い方です。
辞書登録の良いところは、専用ソフトや拡張機能が必要ないことです。普段使っている日本語入力の延長で利用でき、覚えることも「gpt」のような短い読みだけです。URLをコピーしておく必要もなく、クリップボードを消費しない点も便利です。会社ルールで専用ソフトの使用が制限されている場合でも使えます。
なお、このURL形式はOpenAIが永続的な互換性を保証しているではないため、将来的に仕様が変わる可能性はあります。また、URLにプロンプトを書く以上、その内容がブラウザ履歴などに残る可能性があります。顧客情報、個人情報、パスワード、社外秘情報など、機密性の高い内容には使わない方が安全です。下記Win+Rの方法についても同様です。
第2段階:Win + Rからプロンプト付きURLを実行する
URLからプロンプトを渡せることが分かると、次に使えるのがWindowsの「Win + R」です。Win + Rを押すと、「ファイル名を指定して実行」が開きます。ここにはプログラム名やファイルパスだけではなく、URLも入力できます。
つまり、
Win + R
↓
https://chatgpt.com/?q=質問内容
↓
Enter
と入力すれば、そのURLをブラウザで開くことができます。ブラウザをあらかじめ起動しておく必要もありません。ここで先ほどの辞書登録が効いてきます。https://chatgpt.com/?q= を「gpt」などで辞書登録しておけば、実際の操作は、
Win + R
↓
gpt と入力して変換
↓
質問を続けて入力
↓
Enter
となります。例えば、
Win + R
↓
gpt → 変換
↓
https://chatgpt.com/?q=今日の予定を整理して
↓
Enter
という流れです。
ブラウザを探して開き、URL入力欄をクリックする必要がありません。今どのアプリを使っていても、Win + Rを押した瞬間から質問を書き始められます。
通常は、「ブラウザを開く → ChatGPTを開く → 入力欄を選択する → 質問を書く」という操作になります。Win + Rと辞書登録を組み合わせると、「Win + R → 短い文字を変換 → 質問を書く → Enter」まで圧縮できます。
生成AIの場合、ChatGPTというサイトを見ること自体が目的ではありません。「質問する」「調べる」「文章を作る」といった処理を依頼することが目的です。そう考えると、先にChatGPTを開く必要は必ずしもありません。
筆者の環境では、ChatGPTなどを開いた直後に入力欄へフォーカスを合わせたり、日本語入力へ切り替えたりする際に、若干不安定な挙動になることがあります(日本語入力が途中で確定されず、入力した文字がスキップされる等)。Win + R側で先に質問を書いてしまえば、Webサイトを開いてから日本語入力を始める必要がありません。これも小さいながら、繰り返し使うと意外と快適です。
辞書登録はChatGPT以外にも応用できます。例えばClaudeなど、URLから入力内容を渡せるサービスがあれば、それぞれ短い読みを割り当てることもできます。「gpt」「claude」などを入口にしておけば、Win + Rを簡易的な生成AIランチャーとして使えます。
Win + RはWindows 95の時代から長く使われてきた操作です。Windowsの見た目は大きく変化してきましたが、Win + Rという操作体系は非常に長く残っています。最新のAIランチャーを導入する方法もありますが、Windowsにもともと存在する機能と辞書登録を組み合わせるだけで使えるのは大きなメリットです。
第3段階:バッチファイルで「プロンプトを渡す → 送信」まで自動化する
第2段階まででも、ChatGPTを開いてプロンプトを入力する手間はかなり減らせます。ただし、URLからプロンプトを渡しただけでは、ChatGPT上で最後に送信操作が必要になります。
そこで、さらに一歩進めて、バッチファイル側で送信まで実行させます。筆者は下記のようなバッチファイルを使用しています。
@echo off
setlocal DisableDelayedExpansion
set "GPT_PROMPT=%*"
powershell.exe -NoProfile -WindowStyle Hidden -Command ^
"$u='https://chatgpt.com/?q=' + [uri]::EscapeDataString($env:GPT_PROMPT); ^
Start-Process $u; ^
Start-Sleep -Milliseconds 3500; ^
$w=New-Object -ComObject WScript.Shell; ^
$w.SendKeys('{ENTER}')"
少し複雑に見えますが、やっていることはシンプルです。
まず、バッチファイルの後ろに入力された文字列をプロンプトとして受け取ります。
set "GPT_PROMPT=%*"
次にPowerShellを使って、そのプロンプトをURLとして扱える形式に変換し、https://chatgpt.com/?q= の後ろに付けます。
https://chatgpt.com/?q=入力したプロンプト
そのURLを既定のブラウザで開くことで、ChatGPTにプロンプトを渡します。ここまでは第1段階、第2段階と基本的に同じ仕組みです。
このバッチのポイントはその後です。ChatGPTが表示されるまで数秒待った後、Windowsの WScript.Shell を利用してEnterキーを送信しています。つまり、「ChatGPTを開いてプロンプトを渡す」だけではなく、そのプロンプトを実際に送信して回答生成を始めるところまで自動化しています。
処理の流れを整理すると、
バッチファイルに質問を渡す
↓
質問をURLエンコード
↓
https://chatgpt.com/?q=質問
というURLを生成
↓
ブラウザでChatGPTを起動
↓
ChatGPTにプロンプトを渡す
↓
数秒待機
↓
Enterキーを自動送信
↓
回答生成開始
となります。
この仕組みをWin + Rと組み合わせます。例えばバッチファイルのパスが、
C:\Users\ユーザー名\Desktop\ChatGPT\chatgpt.bat
であれば、
C:\Users\ユーザー名\Desktop\ChatGPT\chatgpt.bat ExcelのXLOOKUP関数について教えて
のように、バッチファイルの後ろへ質問を続けます。
これをWin + Rから実行すると、
Win + R
↓
バッチファイルのパス + 質問
↓
Enter
↓
ブラウザが起動
↓
ChatGPTに質問が渡される
↓
自動で送信
↓
回答生成開始
まで、一度のEnterで進みます。
さらに、この長いバッチファイルのパス自体を辞書登録しておくと便利です。例えば、
読み:gg
単語:C:\Users\ユーザー名\Desktop\ChatGPT\chatgpt.bat
Win + R
↓
gg → 変換
↓
スペースを一つ入れて質問(プロンプト)を書く
↓
Enter
という操作にできます。
例えば、
gg ExcelのXLOOKUP関数について教えて
と入力してEnterを押すだけで、ChatGPTが起動し、プロンプトが渡され、そのまま回答生成まで始まります。
ここまで来ると、URLを入力する必要も、ChatGPTを自分で開く必要も、入力欄をクリックする必要も、最後に送信ボタンを押す必要もありません。
なお、このバッチでは、ChatGPTを開いてから一定時間待ち、その後にEnterキーを送るという方法を使っています。そのため、通信が遅くChatGPTの表示に時間がかかった場合や、別のウィンドウにフォーカスが移った場合には、うまく送信されない可能性があります。専用APIを利用した厳密な自動化ではなく、Windows上のキー操作を利用したシンプルな自動化である点にご留意ください。
最小の手数で生成AIを使う
生成AIの性能は急速に進化しており、できることが日々増えています。一方で、日常的に使う上では、AIそのものの性能だけではなく、「AIを使い始めるまでの摩擦」を減らすことも重要です。数秒の違いしかない操作でも、一日に何十回と繰り返せば使い勝手はかなり変わります。特にWin + Rと辞書登録は、Windowsにもともと備わっている非常にシンプルな仕組みです。専用のランチャーツールを使う方法もありますが、Win + RのようにWindowsで長く使われてきた仕組みを入口にできるのも、この方法のメリットです。
時間短縮は僅かではありますが、動作の回数を減らせる点と、ブラウザと違って表示や入力受付が不安定になることがない点が便利に感じています。興味があればお試しください。

